ホストマザー・ホストファミリーのための一言英会話

日本で外国人を家庭に受け入れる”ホストファミリー”のための英会話をご紹介します!

コラム 板挟み

長期の留学生を受け入れる時。
 
ご家族の中で、英語力のレベルに差がある場合に起きるかもしれない問題。
留学生の日本語レベルが上がるまでは、どうしても家族の中で英語が話せる・理解できる人が、留学生と他の家族との橋渡しをすることになります。
ウチの場合は私が他の家族と留学生の橋渡し役。
食卓を囲んでいて、留学生が「It's really tasty.What is it?」のような、簡単なフレーズでも、早く(ネイティブスピーカーである留学生にとっては普通のスピードなんですが)言われると、普通の日本人は「???」ですよね。
最初のうちは物珍しさもあって、私が通訳して会話が成り立って行くのですが、ホームステイというのは生活を共にすること。
日々これが続くと、受け入れ側の家族は橋渡し役が絡む会話が嫌になってしまったり、留学生と橋渡し役の家族だけで話が盛り上がる(お友達同士の会話でもそうですけど、盛り上がると言葉が飛び交う感じになりますよね)と、他の家族は疎外感を感じて、ひいては「家の中で英語喋るな!」と、英語拒否になってしまう家族も出たりします。
もちろん、特に長期(半年~1年以上)の留学生は、日本語を学ぶことも大きな目的ですので、留学生が努力すべきところなのかもしれませんが、橋渡し役をされる方は、そういった「板挟み」の状態に陥ることもあることは、覚えておかれるといいかなって。
私自身、どれくらい日本語を留学生に強制させるべきか=どれくらい英語で話すことを許すか、は、すごく難しくて答えが出て居ないんです。
自分も留学生として海外に滞在をしていたからわかるのですが、異文化、母語を話せないことのストレスと言うのはなかなか大変なもので、やはり一日のうち、もしくは週に何度かでもいいので母語を使った会話ができると、メンタルヘルス的にも落ち着くんですね。
ただ、加減が難しくて、英語ばかりにしてしまうと、留学生も怠けてしまって日本語学習意欲が失われるのです。
 
受け入れ側の日本人家庭も、少しは「英語を学べたらな」という意識で受け入れをされている家庭も多いと思いますので、留学生に、家族全員がわかるようにゆっくり繰り返し話してもらうようにするとか、工夫が必要だと思います。
橋渡し役の方が必ずしも全部抱え込む必要はないと思うので、どんな人間関係でもそうですが、「話し合い」、大事ですね。
母語でない言葉同士で理解し合うのはとても難しいけれど、上手く行ったときの喜びはひとしお。
だから、留学生とどんどんお話をして、きずなを深めて行って欲しいな、と思います。